2025年4月25日の投稿[1件]
今回の投稿は番外編というか、いつもの返信とはまったくちがう、独立した読みものです。
だれかに向けて書いたものではなく、健康についての、じぶんに向けての覚え書きです。
ただ、だれが読んでも興味深い話でもあろうかとおもいますので、いちおうひっそりと公開します。
今後、さらに書き足したり、削ったり、体裁を整えて、おなじような内容のものを、ブラッシュアップして投稿する予定です。この投稿には返信をなさいませんようご注意ください。
血管プラークを掃除するには、脂質断ちと並行して減量(貪食細胞の活性化)を行う必要があって、かなりストイックな食生活をしないと、基本的に血管プラークは溜まる一方なんだそうな。
歯垢・歯石が酸化物質として虫歯となり、細菌の温床となって歯槽膿漏の原因になるように、血管プラーク(石灰化した血管プラーク)が長年蓄積すれば血液疾患以外の不調も招きます。
そう考えていくと、脂質ががんの原因になるという医療分野の話も納得がいきます。
血管プラークはふつうの食事をしていて減ることはないので、標準体型で標準的な食事の人でも、脂質を欠かさず摂取していれば、年をとるごとに血管内が汚れ、脂質が原因の疾患のリスクが高まります。
ほんの数十年前まで医学的には血管プラークが改善することはない、と信じられていたようです。
なので血管は年齢とともに基本的にはどんどん汚れていくし詰まっていくというのが定説だったようですが、厳格な食事療法に取り組めば、血管の若返りは可能なようです。
ちなみに動脈硬化のメカニズムは以下のようなものです。
1.生活習慣(喫煙・飲酒)や生活習慣病(糖尿病)によって血管の内皮に小さな傷がつく
2.傷のついた血管内皮にコレステロールの粒子が入り込み、脂質のこぶ(プラーク)を形成する
3.免疫細胞がプラークを異物として攻撃するため、血管に炎症が起こる(肩こりなど)
4.これら血管の異変によって、血管そのものが繊維化して硬くなる
5.長年こびりついた血管プラークが石灰化することで、さらに動脈硬化が進行する
アルコールや糖尿病では、アルコールや糖が血管内に入り込むと、血管内皮に細かい傷がつくそうで、この傷にコレステロールが付着するといわれます。
そういえば、タバコの健康への悪影響も、ヤニ(タール)が肺から血中に流れ込み、血管内皮および全身に付着することで起こっています。
このヤニは漢字では「脂」と書きますが、実際の脂質ではありません。
しかし脂質と同様付着するとなかなか取れませんし、ヤニそのものに有害物質が含まれています。
タバコを吸っていた肺の汚れがとれるまでには、吸っていた期間とおなじくらいの年月が必要になるといいます。
たとえ禁煙し、体内が代謝を繰り返しても、それだけの長期間、タールと有害物質は体内に残り続けるそうな。
おそらく血管プラークについても食事療法を続ける期間は、不摂生をしたのとおなじ期間かかるのでしょうが、そうするとぼくの場合はもう人生を折り返していますから、一生続けるべきなのでしょう。
体内脂質はヤニのように有害物質を直接的には含んでいませんが、血管にこびりついて蓄積すると体内で酸化します。
酸化した油が有害物質に変化するのはよく知られた話ですが、体内の脂質が酸化して生まれる過酸化脂質は、細胞膜を損傷させ、炎症や動脈硬化を促進します。
この過酸化物質による炎症は、あるいはさっきの動脈硬化における、プラークが免疫細胞から攻撃されて炎症を起こす現象とおなじかもしれません。
この炎症はいろいろな悪作用をもたらしますが、細胞のガン化も引き起こします。
そこで過酸化脂質の酸化を解消するために、抗酸化物質を摂取しようという話になります。
抗酸化物質を食べて体内の酸化を防ごうというのですが、そもそも必要以上の脂質を毎日経口摂取していると、いたちごっこになるばかりですし、血管プラークが積み重なっていくなら、いずれは負け戦になります。
しかしたとえばトマトジュース(あるいはトマトベースの野菜ジュース)に陳皮パウダーをひと匙、というような抗酸化物質の塊のようなドリンクを毎日一杯飲むようなことは、もちろん長期的にみて全身の健康に寄与することでしょう。
血管プラークの積み上がりを減少させるには、EPAを中心とした多価不飽和脂肪酸の少量摂取のみで、あとは海藻(寒天)・きのこ、野菜、炭水化物を中心にした脂質制限の減量食が必要になります。
減量食といっても適度におなかが満足できるだけ食べていいのですが、脂質を徹底的に制限していると、勝手に痩せていきます。
脂質のない和菓子であれば(適度に)食べてもいいし、お肉も脂身がないものなら(適度に)食べてもかまいません。
この減量食は血管プラークを減らすだけでなく、膵機能の低下によって起こる糖尿病を予防し、体内老廃物を追い出してがんを予防する食事でもあるといいます。
後述しますが、腸内環境にもよい影響を及ぼします。
この腸内環境への影響はじぶんのおなかの調子をみても明らかで、この2か月近くのお通じに関していえば、いままでの人生でこんなに安定したことはありません。
糖質(炭水化物)は体内で中性脂肪に変わりますが、中性脂肪は飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもありません。
なので、不飽和脂肪酸のような機能性もないかわりに、飽和脂肪酸ほどのわるさもしません。
しかしいくら脂質を制限しても、糖質を体内に余るほど摂取すると、糖質由来の中性脂肪が体内に蓄積してしまいます。
この中性脂肪も余っているとやはり血管でプラークになります。そして体内で酸化して炎症を引き起こせばガン化するし、膵機能を低下させて糖尿病を招来します。
だから、脂質制限をしても糖質を際限なく摂りすぎてはいけない、というジレンマを抱えることになり、結局減量食にならざるをえません。
が、体内の脂質が極端に不足すると体温低下(エネルギー不足による免疫低下)や脂溶性ビタミンの吸収不足を招きますから、体内の脂質そのものは必要です。
じゃあ、やっぱり脂質も適度に経口摂取すればいいじゃないか、とおもうかもしれません。
が、たとえば健康によい不飽和脂肪酸が豊富ないわしでも、その脂質の1/3は健康にわるい飽和脂肪酸です。
おなじ減量食である糖質制限は、糖尿病予防にはよいかもしれません。
が、摂取する食事と食事量をよほど工夫しないと、体内に大量の飽和脂肪酸を取り入れるので、血管プラークを形成し、体内が酸化・炎症を起こし、結局ガンや血液疾患にむすびつきます。
よく言われるのが、糖質制限をするといくらカロリー摂取をしても痩せていくというもので、これは実際ぼくもやったことがありますが、たしかにそうでした。
でも、あれはやっぱりよくなかったと、いまはつくづくおもいます。
もし糖質制限で健康を保ちたい場合は、以下のような感じでしょうか。
オリーブ油やアマニ油は100g(920kcal)のうち、不飽和脂肪酸がほとんどで、飽和脂肪酸が10%程度と優秀な組成です。
なので、鶏ささみとキノコと海藻と野菜に、これらの不飽和脂肪酸でできた油をかけて食べ、一日の代謝の範囲を越えないカロリーに抑えるというような食生活なら、かろうじて健康を維持できるかもしれません。
しかしそれでも飽和脂肪酸を相応に摂取しますから、代謝の範囲を越えて摂取すると血管プラークはたまるし、体内で酸化脂質による炎症が起こるでしょう。
糖質による満腹感がないうえに、カロリー制限まで求められるのだから、健康効果まで期待した糖質制限はかなりの苦行になることでしょう。
それに糖質制限はイヌイットが暮らすような、よほど特殊な環境でなければ人類が永続的にやっていけるような食習慣ではなく、現代風にいえばコストがかかりすぎる食生活でもあります。
なので総合的な結論として、炭水化物を摂取して体内で中性脂肪に変換し、海藻やきのこや野菜で抗酸化する食生活がよい、ということになります。
もうひとつ重要な問題があります。
それは腸内細菌が産生する脂質です。
腸内細菌は非常に多様ですから、その代謝物の影響についてもやはり多様です。
しかし単純化すると、やっぱり脂質は腸内環境にもよくないことが浮かび上がってきます。
理化学研究所の研究(https://www.riken.jp/press/2023/20230118...)によると、
とありました。
つまり、高脂肪食を好む細菌があり、高脂肪食を摂取しているとこの腸内細菌が増えます。
そしてこの腸内細菌が脂質を分解すると、悪性の脂肪酸を産生し、生活習慣病を招く悪循環を生み出すようです。
また脂肪食は腸内フローラのバランスを悪化させます。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)の悪化の原因のひとつが高脂肪食であることは知られていますが、それはやはり腸内細菌による悪性の代謝脂質と、脂肪分による腸内フローラのバランス崩壊が関係しているのでしょう。
こういう理屈もぼくはずっと知らずにいましたが、いま非常におなかの調子がよいのは、脂質制限と無関係ではないとおもいます。
そういえばひと昔前に、健康な腸環境の人の大便を、炎症性腸疾患の患者の腸に注入すると、炎症が一時的に緩解したというニュースがありました。
当時、なんという気持ちのわるい治療だろうとおもいましたが、あれは理論的には腸内フローラのバランスを整えて、悪性の代謝物を減らすという点で意味があったのでしょう。
いっぽう、太陽化学のホームページ(https://www.taiyokagaku.com/lab/trend/13...)には、このような記述がありました。
つまり、水溶性食物繊維や一部の糖類が腸内細菌のエサになると、短鎖脂肪酸が産生されて体内の健康に寄与する。
経口的にヨーグルトや納豆を食べて菌を補給するよりも、大腸の菌に食物繊維や良質な糖質を補給するほうがよいのではないか、ということです。
ちなみに短鎖脂肪酸は「脂肪酸」とありますが、脂肪ではありません。ここがむずかしいところでした。
われわれが一般的に脂質と呼ぶ脂肪も脂肪族化合物の一種ですが、脂肪族化合物全体を脂肪と呼ぶわけではないようです。
なので、酢酸、プロピオン酸、酪酸といった短鎖脂肪酸は脂肪族化合物ではあるのですが、われわれが一般的にいう脂肪や脂質とはちがうようです。
われわれが一般的にいう脂肪は、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸をさします。
発酵食品がカラダにわるい影響を及ぼすというのはちょっと常識外れな話ではありますが、真島クリニックの真島さんも、納豆やヨーグルトなどのタンパク質(脂質)性の発酵食品が血管プラークを悪化させると述べており、腸内細菌の代謝物の複雑さを考えると、巷の常識は実際の肉体の非常識にあたる可能性があるのかもしれません。
しかしそうなると結局、不飽和脂肪酸少量と脂質制限、海藻類・きのこ類・野菜類・脂質のないたんぱく質、炭水化物で食生活を構築するのが、腸内細菌の面でも健康によい食事療法になります。
それに対して、脂質(中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸)を経口で摂取すると、腸内細菌もまた別種の脂肪酸を産生し、これは種類によって人体に悪影響を及ぼす可能性があるということなのでしょう。
おなじ油でも多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA)の場合は、腸内細菌も良質な脂肪酸を産生するようですが、飽和脂肪酸はやはりよくないようですね。
獣肉も魚肉も、その脂質の組成にはどうしても飽和脂肪酸が含まれていますから、ここに注意しなければいけないということになります。
じゃあせめてたんぱく質くらいはたくさん食べたいとおもっていたんですが、残念なことにたんぱく質も過剰摂取すると、腸内細菌がアンモニアや尿毒症物質を産生し、腎臓に負担をかけ、悪玉菌を増殖させて腸内フローラのバランスが崩れるとのこと。
だいたい、鶏むね肉やささみでいえば、一日に150gから200gまでが適正なんだそうな。
アルコールの場合は、ぼくなどはとても物足りない、いわゆる「適量」を越えると、血管内皮が傷つくだけでなく、アルコールによって腸内フローラが乱れ、さまざまな悪影響を及ぼすようです。
生命科学的な側面でみていくと、食で健康を実現するのは単純でありながら、なかなかシビアだということがわかります。
結論としては、
・血管内皮を傷つけない生活習慣
・血管プラークを減少させる食習慣
が大事、ということになりそうです。
ちなみにえらそうなことを書いていますが、これは現在のぼく自身がすべてをパーフェクトに実践する、あるいは実践できるという話ではありません。
お酒などは、なかなか一杯で終わらせることができません。
しかし将来的にぼくが老いていくにあたって、この食事の実践は、最終的に行きつかざるをえないところだとおもっています。
じぶんが老化していく中で、さらに病をひとつ得るたびに、よりシビアな形でこの食事療法に取り組むほかなくなるのだろうとおもいますし、そのための覚え書きです。
ぼくのように不摂生をしているわけではない方においても、この理屈を知っておくことは、転ばぬ先の杖になりうるだろうとおもいます。
だれかに向けて書いたものではなく、健康についての、じぶんに向けての覚え書きです。
ただ、だれが読んでも興味深い話でもあろうかとおもいますので、いちおうひっそりと公開します。
今後、さらに書き足したり、削ったり、体裁を整えて、おなじような内容のものを、ブラッシュアップして投稿する予定です。この投稿には返信をなさいませんようご注意ください。
血管プラークを掃除するには、脂質断ちと並行して減量(貪食細胞の活性化)を行う必要があって、かなりストイックな食生活をしないと、基本的に血管プラークは溜まる一方なんだそうな。
歯垢・歯石が酸化物質として虫歯となり、細菌の温床となって歯槽膿漏の原因になるように、血管プラーク(石灰化した血管プラーク)が長年蓄積すれば血液疾患以外の不調も招きます。
そう考えていくと、脂質ががんの原因になるという医療分野の話も納得がいきます。
血管プラークはふつうの食事をしていて減ることはないので、標準体型で標準的な食事の人でも、脂質を欠かさず摂取していれば、年をとるごとに血管内が汚れ、脂質が原因の疾患のリスクが高まります。
ほんの数十年前まで医学的には血管プラークが改善することはない、と信じられていたようです。
なので血管は年齢とともに基本的にはどんどん汚れていくし詰まっていくというのが定説だったようですが、厳格な食事療法に取り組めば、血管の若返りは可能なようです。
ちなみに動脈硬化のメカニズムは以下のようなものです。
1.生活習慣(喫煙・飲酒)や生活習慣病(糖尿病)によって血管の内皮に小さな傷がつく
2.傷のついた血管内皮にコレステロールの粒子が入り込み、脂質のこぶ(プラーク)を形成する
3.免疫細胞がプラークを異物として攻撃するため、血管に炎症が起こる(肩こりなど)
4.これら血管の異変によって、血管そのものが繊維化して硬くなる
5.長年こびりついた血管プラークが石灰化することで、さらに動脈硬化が進行する
アルコールや糖尿病では、アルコールや糖が血管内に入り込むと、血管内皮に細かい傷がつくそうで、この傷にコレステロールが付着するといわれます。
そういえば、タバコの健康への悪影響も、ヤニ(タール)が肺から血中に流れ込み、血管内皮および全身に付着することで起こっています。
このヤニは漢字では「脂」と書きますが、実際の脂質ではありません。
しかし脂質と同様付着するとなかなか取れませんし、ヤニそのものに有害物質が含まれています。
タバコを吸っていた肺の汚れがとれるまでには、吸っていた期間とおなじくらいの年月が必要になるといいます。
たとえ禁煙し、体内が代謝を繰り返しても、それだけの長期間、タールと有害物質は体内に残り続けるそうな。
おそらく血管プラークについても食事療法を続ける期間は、不摂生をしたのとおなじ期間かかるのでしょうが、そうするとぼくの場合はもう人生を折り返していますから、一生続けるべきなのでしょう。
体内脂質はヤニのように有害物質を直接的には含んでいませんが、血管にこびりついて蓄積すると体内で酸化します。
酸化した油が有害物質に変化するのはよく知られた話ですが、体内の脂質が酸化して生まれる過酸化脂質は、細胞膜を損傷させ、炎症や動脈硬化を促進します。
この過酸化物質による炎症は、あるいはさっきの動脈硬化における、プラークが免疫細胞から攻撃されて炎症を起こす現象とおなじかもしれません。
この炎症はいろいろな悪作用をもたらしますが、細胞のガン化も引き起こします。
そこで過酸化脂質の酸化を解消するために、抗酸化物質を摂取しようという話になります。
抗酸化物質を食べて体内の酸化を防ごうというのですが、そもそも必要以上の脂質を毎日経口摂取していると、いたちごっこになるばかりですし、血管プラークが積み重なっていくなら、いずれは負け戦になります。
しかしたとえばトマトジュース(あるいはトマトベースの野菜ジュース)に陳皮パウダーをひと匙、というような抗酸化物質の塊のようなドリンクを毎日一杯飲むようなことは、もちろん長期的にみて全身の健康に寄与することでしょう。
血管プラークの積み上がりを減少させるには、EPAを中心とした多価不飽和脂肪酸の少量摂取のみで、あとは海藻(寒天)・きのこ、野菜、炭水化物を中心にした脂質制限の減量食が必要になります。
減量食といっても適度におなかが満足できるだけ食べていいのですが、脂質を徹底的に制限していると、勝手に痩せていきます。
脂質のない和菓子であれば(適度に)食べてもいいし、お肉も脂身がないものなら(適度に)食べてもかまいません。
この減量食は血管プラークを減らすだけでなく、膵機能の低下によって起こる糖尿病を予防し、体内老廃物を追い出してがんを予防する食事でもあるといいます。
後述しますが、腸内環境にもよい影響を及ぼします。
この腸内環境への影響はじぶんのおなかの調子をみても明らかで、この2か月近くのお通じに関していえば、いままでの人生でこんなに安定したことはありません。
糖質(炭水化物)は体内で中性脂肪に変わりますが、中性脂肪は飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもありません。
なので、不飽和脂肪酸のような機能性もないかわりに、飽和脂肪酸ほどのわるさもしません。
しかしいくら脂質を制限しても、糖質を体内に余るほど摂取すると、糖質由来の中性脂肪が体内に蓄積してしまいます。
この中性脂肪も余っているとやはり血管でプラークになります。そして体内で酸化して炎症を引き起こせばガン化するし、膵機能を低下させて糖尿病を招来します。
だから、脂質制限をしても糖質を際限なく摂りすぎてはいけない、というジレンマを抱えることになり、結局減量食にならざるをえません。
が、体内の脂質が極端に不足すると体温低下(エネルギー不足による免疫低下)や脂溶性ビタミンの吸収不足を招きますから、体内の脂質そのものは必要です。
じゃあ、やっぱり脂質も適度に経口摂取すればいいじゃないか、とおもうかもしれません。
が、たとえば健康によい不飽和脂肪酸が豊富ないわしでも、その脂質の1/3は健康にわるい飽和脂肪酸です。
おなじ減量食である糖質制限は、糖尿病予防にはよいかもしれません。
が、摂取する食事と食事量をよほど工夫しないと、体内に大量の飽和脂肪酸を取り入れるので、血管プラークを形成し、体内が酸化・炎症を起こし、結局ガンや血液疾患にむすびつきます。
よく言われるのが、糖質制限をするといくらカロリー摂取をしても痩せていくというもので、これは実際ぼくもやったことがありますが、たしかにそうでした。
でも、あれはやっぱりよくなかったと、いまはつくづくおもいます。
もし糖質制限で健康を保ちたい場合は、以下のような感じでしょうか。
オリーブ油やアマニ油は100g(920kcal)のうち、不飽和脂肪酸がほとんどで、飽和脂肪酸が10%程度と優秀な組成です。
なので、鶏ささみとキノコと海藻と野菜に、これらの不飽和脂肪酸でできた油をかけて食べ、一日の代謝の範囲を越えないカロリーに抑えるというような食生活なら、かろうじて健康を維持できるかもしれません。
しかしそれでも飽和脂肪酸を相応に摂取しますから、代謝の範囲を越えて摂取すると血管プラークはたまるし、体内で酸化脂質による炎症が起こるでしょう。
糖質による満腹感がないうえに、カロリー制限まで求められるのだから、健康効果まで期待した糖質制限はかなりの苦行になることでしょう。
それに糖質制限はイヌイットが暮らすような、よほど特殊な環境でなければ人類が永続的にやっていけるような食習慣ではなく、現代風にいえばコストがかかりすぎる食生活でもあります。
なので総合的な結論として、炭水化物を摂取して体内で中性脂肪に変換し、海藻やきのこや野菜で抗酸化する食生活がよい、ということになります。
もうひとつ重要な問題があります。
それは腸内細菌が産生する脂質です。
腸内細菌は非常に多様ですから、その代謝物の影響についてもやはり多様です。
しかし単純化すると、やっぱり脂質は腸内環境にもよくないことが浮かび上がってきます。
理化学研究所の研究(https://www.riken.jp/press/2023/20230118...)によると、
今回、共同研究チームはFusimonas intestini[3]という細菌に着目し、同細菌が肥満・糖尿病の患者から多く検出されること、高脂肪食[4]摂食マウスに投与すると肥満が悪化すること、そして、トランス脂肪酸など肥満・高血糖を悪化させる代謝物を多く産生することを発見しました。
とありました。
つまり、高脂肪食を好む細菌があり、高脂肪食を摂取しているとこの腸内細菌が増えます。
そしてこの腸内細菌が脂質を分解すると、悪性の脂肪酸を産生し、生活習慣病を招く悪循環を生み出すようです。
また脂肪食は腸内フローラのバランスを悪化させます。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)の悪化の原因のひとつが高脂肪食であることは知られていますが、それはやはり腸内細菌による悪性の代謝脂質と、脂肪分による腸内フローラのバランス崩壊が関係しているのでしょう。
こういう理屈もぼくはずっと知らずにいましたが、いま非常におなかの調子がよいのは、脂質制限と無関係ではないとおもいます。
そういえばひと昔前に、健康な腸環境の人の大便を、炎症性腸疾患の患者の腸に注入すると、炎症が一時的に緩解したというニュースがありました。
当時、なんという気持ちのわるい治療だろうとおもいましたが、あれは理論的には腸内フローラのバランスを整えて、悪性の代謝物を減らすという点で意味があったのでしょう。
いっぽう、太陽化学のホームページ(https://www.taiyokagaku.com/lab/trend/13...)には、このような記述がありました。
有用菌は、エネルギー源となるエサを食べ、「短鎖脂肪酸」を産生します。短鎖脂肪酸は酪酸、プロピオン酸などを指します。この短鎖脂肪酸、腸内環境を整える働きがあることがわかっており、様々な研究結果があります。
(中略)
有用菌のエネルギー源であるエサが何かいうと、「水溶性食物繊維」や「オリゴ糖」などであることが分かっています。これらの物質を摂取し、それが腸内に届いて腸内細菌に代謝されて短鎖脂肪酸が産生され腸内に排出されます。腸内環境を改善するためには「短鎖脂肪酸を産生する菌を増やす」ことや「有用菌のエネルギー源を供給してあげる」ことが必要です。太陽化学としては、もとから100兆個以上いる腸内細菌に体外から菌を追加するより、もとからいる菌に良質のエサを供給する方が効率的なのでは?と考えています。
つまり、水溶性食物繊維や一部の糖類が腸内細菌のエサになると、短鎖脂肪酸が産生されて体内の健康に寄与する。
経口的にヨーグルトや納豆を食べて菌を補給するよりも、大腸の菌に食物繊維や良質な糖質を補給するほうがよいのではないか、ということです。
ちなみに短鎖脂肪酸は「脂肪酸」とありますが、脂肪ではありません。ここがむずかしいところでした。
われわれが一般的に脂質と呼ぶ脂肪も脂肪族化合物の一種ですが、脂肪族化合物全体を脂肪と呼ぶわけではないようです。
なので、酢酸、プロピオン酸、酪酸といった短鎖脂肪酸は脂肪族化合物ではあるのですが、われわれが一般的にいう脂肪や脂質とはちがうようです。
われわれが一般的にいう脂肪は、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸をさします。
発酵食品がカラダにわるい影響を及ぼすというのはちょっと常識外れな話ではありますが、真島クリニックの真島さんも、納豆やヨーグルトなどのタンパク質(脂質)性の発酵食品が血管プラークを悪化させると述べており、腸内細菌の代謝物の複雑さを考えると、巷の常識は実際の肉体の非常識にあたる可能性があるのかもしれません。
しかしそうなると結局、不飽和脂肪酸少量と脂質制限、海藻類・きのこ類・野菜類・脂質のないたんぱく質、炭水化物で食生活を構築するのが、腸内細菌の面でも健康によい食事療法になります。
それに対して、脂質(中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸)を経口で摂取すると、腸内細菌もまた別種の脂肪酸を産生し、これは種類によって人体に悪影響を及ぼす可能性があるということなのでしょう。
おなじ油でも多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA)の場合は、腸内細菌も良質な脂肪酸を産生するようですが、飽和脂肪酸はやはりよくないようですね。
獣肉も魚肉も、その脂質の組成にはどうしても飽和脂肪酸が含まれていますから、ここに注意しなければいけないということになります。
じゃあせめてたんぱく質くらいはたくさん食べたいとおもっていたんですが、残念なことにたんぱく質も過剰摂取すると、腸内細菌がアンモニアや尿毒症物質を産生し、腎臓に負担をかけ、悪玉菌を増殖させて腸内フローラのバランスが崩れるとのこと。
だいたい、鶏むね肉やささみでいえば、一日に150gから200gまでが適正なんだそうな。
アルコールの場合は、ぼくなどはとても物足りない、いわゆる「適量」を越えると、血管内皮が傷つくだけでなく、アルコールによって腸内フローラが乱れ、さまざまな悪影響を及ぼすようです。
生命科学的な側面でみていくと、食で健康を実現するのは単純でありながら、なかなかシビアだということがわかります。
結論としては、
・血管内皮を傷つけない生活習慣
・血管プラークを減少させる食習慣
が大事、ということになりそうです。
ちなみにえらそうなことを書いていますが、これは現在のぼく自身がすべてをパーフェクトに実践する、あるいは実践できるという話ではありません。
お酒などは、なかなか一杯で終わらせることができません。
しかし将来的にぼくが老いていくにあたって、この食事の実践は、最終的に行きつかざるをえないところだとおもっています。
じぶんが老化していく中で、さらに病をひとつ得るたびに、よりシビアな形でこの食事療法に取り組むほかなくなるのだろうとおもいますし、そのための覚え書きです。
ぼくのように不摂生をしているわけではない方においても、この理屈を知っておくことは、転ばぬ先の杖になりうるだろうとおもいます。