山麓王国

No.1261

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ぼくはインスタント麺が好きなおじさんですが、サッポロ一番は20代までによく食べて、30代になってからはすっかり食べなくなりました。

理由は、高いから。

ふつうのインスタント麺の一段上をいく高価格で、安物好きのぼくにはとても手が出ない、というわけです。

ところが調べてみたら、サッポロ一番は売れ行きがものすごくよいのだそうです。

やはり消費者は保守的で、価格が多少高くても、あたらしい味に挑戦するよりも、決まりきったものをルーティンにすることで安心する傾向が強いようです。



これを野菜農家で当てはめて考えてみます。

いまはどんどんあたらしい品種ができていて、文字通りの日進月歩。

いままで「あたらしい品種」だとおもってつくっていたものが、いつの間にか「どこにでもある品種」になり、そのうち「古い品種」になる。

では直売所農家をしているぼくは、どこにでもある品種、古くなった品種は切り捨てて、どんどんあたらしい品種にチャレンジして、おいしさや合理性をアップデートしていけばいいのか、という話なんです。



サッポロ一番の例をみている限り、たぶん、ちがうんですよね。

たとえふるい品種であっても、それが直売所のなじみの購買層にとって安心できる味であれば、変えないほうがいい。

あるいは、安定感のあるふるい品種と、あたらしい品種を両方作って販売してみて、今後のスタンダードになる品種を選別していく、という形がよいでしょう。

社会は日進月歩であたらしい品種、あたらしい技術が開発されていますが、人間の味覚は保守的です。

世代がガラッと変わるほどの年月をかけて、ようやくあたらしい品種にあたらしい世代の味覚が追い付いていくといったところでしょう。



最近では聞かれなくなりましたが、むかしはよく「いまどきの野菜は甘すぎる。野菜はむかしながらの青臭いのがちょうどいいんだ!」という、スパルタ馬鹿舌頑固オヤジが幅を利かせていたものです。

ああいう世代が駆逐されて、現代ようやくあたらしい品種がスタンダードになりました。

だいたい1980年ごろに、旧来の野菜の品種の概念をくつがえすようなあたらしい品種が出回り、スパルタ馬鹿舌頑固オヤジの保守的なキャンペーンがはじまり、そういった声が2000年あたりには終息に向かっていったことを考えると、やはり20年、四半世紀といったところでしょうか。



われわれ直売所農家は、日進月歩でめまぐるしく変化する技術よりも、人の味覚が入れ替わる世代交代の20年を意識したほうがよさそうです。

#野菜

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