山麓王国

No.920

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『魔法少女まどか☆マギカ』をみました。

感想と考察です。



望みをかなえることと引き換えに魔法少女として契約すると、ソウルジェムという結晶に魂を移して、肉体はかりそめになる。

魔女はグリーフシードという結晶を持っています。

魔法少女は魔女を討伐し、グリーフシードを得てソウルジェムを浄化するのですが、浄化ができずにいると魔法少女は魔女になります。

なので、ソウルジェムの成れの果てが、グリーフシードということです。

そのため魔法少女は魔女の討伐に明け暮れなければならず、それでもいずれは魔女になってしまう。



ソウルジェムとグリーフシードの関係性でふとおもったのが、シェイクスピアの『マクベス』です。

権力闘争によって血で血を洗う悲劇となるこの戯曲では、冒頭に3人の魔女が出てきて、このような言葉を残します。

"Fair is foul, and foul is fair."

「きれいはきたない。きたないはきれい」

魔女たちにたぶらかされたマクベスとその夫人は権力欲におぼれて、殺人を繰り返しました。

しかし深層心理でその罪悪を浄めたかったのか、夫人は夢遊病となり、夢の中で落ちない血を落とそうと、必死に手をこすり続けるのです。

魔法少女の、汚れていくソウルジェムを延々とグリーフシードで浄化し続けなければならないというくだりは、野望と引き換えに、血の浄化を延々と繰り返して絶望するマクベス夫人のようです。



地球外生命体のキュゥべえは、宇宙のエントロピーの問題を解決するために魔法少女と魔女を利用している、ということなんですが、たとえると戦争における武器商人のような役割です。

武器商人は、戦争をする互いの国に武器を売りつけて、利益を得ます。
かれらは戦争によって儲けることだけを考えているので、戦争が悪であるという観念がありません。

おなじようにキュゥべえは、魔法少女を魔女にし、新たな魔法少女を勧誘することを繰り返して、エネルギー(利益)を得ることが目的で、人間的な善悪に興味がありません。



最後のまどかが魔法少女になるための願いは非常に宗教的です。

じぶんの足元のだれかを救うのではなく、神のようにすべてを救う犠牲と救済を望みます。

最終話に至る間際で、タイムリープによって最適解を得ようとする展開になりましたが、最終話でこれまでの謎解き的な物語から一気に、神話として作品が完成したのには感心しました。

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