No.1303
やっぱり、奥田民生は時代の寵児だったとおもう。
人間はもうラクをしていいんだ、という建前の中で、実際にはどんどん忙しく働かされて、思想はカラッポという時代。
かれはそんな潮流に入ってきた四半世紀前の時代を、もっとも上手にあらわしているアーティストだった。
高校時代にこの曲を聴いて以来、ずっと、「きみはぼくを忘れるから、そうすればもうすぐに、きみに会いにゆける」という歌詞が心に残っていた。
あなたがぼくを忘れれば、いつでも会いに行けるのではないかと望みながら、たとえそれがかなっても、結局かれは彼女に会いには行けないのだろう。
それは、ラクをしたくて、ラクを望んで、できない現代人とおなじようだ。
うまくできた歌詞だな、とこの年になっておもう。
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