山麓王国

No.904

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昭和天皇は戦後日本の民主主義、自由主義について、このように述べます。

個人の自由のないことは言語道断だけれども、ものが着々進むのは事実上、統制の強い力で引っ張らねば上がらぬ。
自由 民主という方向でゆくと、なかなかものは進まぬ。
これはむつかしい。

スターリンでもヒトラーでもムッソリーニでも、全体主義で引っ張るのが仕事は進む。

英米のような思想系統のものは、自由でしかも仕事がいくかもしれぬが、国によってはそれではなかなか国運を急に引っ張るはむつかしい。

これはむつかしい問題だね。



つまり、個人主義や自由主義、民主主義では、全体主義のように国を統制することができず、ものごとを素早く進めることができない。

戦後の日本はこの点で問題を抱えることになるのではないか、というのです。



これはスターリンやヒトラー、ムッソリーニのような全体主義が優れているというよりは、国家を迅速にコントロールするには、全体主義よりほかに手段があるのだろうか、という疑問といえるでしょう。

しかしいま現在、アメリカもヨーロッパも日本も、民主主義国家、西側陣営はうまくやっています。

なぜうまくやれたかというと、新自由主義における「ショック・ドクトリン」が功を奏したからです。

新自由主義が日本で利用され始めたのは中曽根康弘のころからといわれますから、当時の昭和天皇はショック・ドクトリンを知りません。

ショック・ドクトリンとは、自然災害や戦争や未知のウイルスなど、人類が大きなショックを受ける出来事を利用して、それまでにはできないような過激な市場改革をおこなうという、本来は経済システムでの変革手段です。



しかしこの手法は、実際には政治的にも利用されていました。

民主主義、自由主義、個人主義のように、国家が国運を直接引っ張ることができないシステムの中で、国民をどう統制していくのか。

この答えが「国民にショックを与えて、政府のおもう方向に誘導する」という方法です。



たとえばアメリカでは、2001年9月11日にワールドトレードセンターがテロ行為で破壊されました。

アメリカ国内はパニック状態になり、大きなショックを受けます。

そして「じぶんの国の中にテロリストがいる。もしかしたら隣人がそうかもしれない」という疑心暗鬼にかられるようになります。あるいはそういう空気を、国家が煽った側面もあるでしょう。

そして国民の多くが、じぶんはテロリストではない、まっとうなアメリカ国民であると証明するために、セキュリティカード(日本でいうマイナンバー)を取得しました。

WTCが破壊されるというショックがなければ、まるで国民を統制したかのようにセキュリティカードを取得させることはできなかったはずです。

ショックを与えて、国家のおもう方向に誘導するという手法こそ、全体主義以外で国運を引っ張る方法はあるのか、という昭和天皇の疑問に対する答えでした。



しかしこれは言い換えれば、大昔の社会主義や共産主義のような、牧歌的な理想、反資本主義のような思想では、国家は運営できない(全体主義にも自由主義にも勝てない)という証明でもあります。

実際、現在の中国やロシアなどの東側勢力は、いわゆる社会主義や共産主義を理想的なカタチで実現することができず、「左翼全体主義」とでもいうべき統制社会になっているわけですから。

#与太話

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